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    「西郷隆盛」の世界

    • 2013.02.20 Wednesday
    • 23:16


     僕です。今日は芥川龍之介の「西郷隆盛」についてお話します。
     これを最初に読んだのは、芥川作品に触れ出してまだ間もない頃でした。そして数ある彼の短編の中でも、就中に僕を刺激した作品というのも、またこの「西郷隆盛」というわけです。

     歴史を専攻している男子学生が、京都発の列車の中で、とある懐疑論者と出会うお話です。懐疑論者は学生に、「西郷隆盛は生きていて、この列車に乗り合わせている」と、荒唐無稽なことを言いだします。無論、これを信じようとしない学生に対して、この老人は揺さぶりをかけてゆくのです。
     相手にしようとしない学生に痺れを切らし、老人は彼を、この列車に乗っている西郷隆盛に合わせます。すると彼は混乱し、老人の「君は見たものよりも紙に書いてあることを信じるのかね」という台詞に屈服し、受け入れます。
     そして老人は高笑いと共に、君が今見たのは西郷隆盛にとてもよく似た私の友人です、と真実を明かすと同時に、彼をからかったことを詫びるのでした。

     最新の研究により、歴史は塗り替えられ、日々新たなものに刷新されてゆきます。そんな中、何を真実であるとするか、何を真実として物事を考えるか、そういった懐疑の目というものを常に持つことが大事であると、そしてこの考えを、身の回りに敷衍することの有意を説いている作品といえるのではないでしょうか。
     白だと言われているものは果たしてほんとに白か。黒だと言われているものも本当に黒なのか。判断するのは、歴史でも他人でもなく、自分であるということですね。
     世界において唯一確かなもの、それは考える自分、即ちデカルトが情念論の中で述べた「我思う故に我あり」というわけですね。芥川作品の中にもこういったコギトエルゴスムが見受けられることが、僕にはなんとも興味深く感ぜられるのでした。
     理解しようとつとめなければ、煩瑣で難解とされている様々の事象を咀嚼して、衆愚を啓発。そしてよき魂、プシュケーの涵養を企図することも、文学に与えられたひとつの使命であると考えます。

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